好気性発酵処理とは
好気性微生物(糸状菌、細菌、放線菌など)により酸素が多い条件で有機物を分解する方法で、古くから家畜ふん尿とオガクズ、木材チップ、ワラなどの水分調整材を適度に混ぜて堆肥づくりに用いられてきました。発酵が良好に始まれば60℃以上の高温が維持され、殺菌と臭気の抑制ができます。一方、水分が多い場合には空隙が少なくなり、酸素不足となって嫌気性微生物が働き悪臭を伴ってしまうので、水源や居住区から十分な距離を置くなどの注意が必要です。この方法は、有機物の分解処理法として操作が簡便で費用も安くなるというメリットがあります。発酵床(種)の製造
発酵床(種)は、エゾシカ死骸を投入する2週間前に、家畜ふん尿と木材チップを混ぜ合わせ、水分が約65%になるように、ホイールローダーで「しっかり」と混ぜ合わせて調整します。混合の際は、発酵床(種)に空気が十分含むように注意してバケットを操作し、発酵床(種)を押えつけたり、乗り上げないようにします。夏期では混合後3日目、冬期では5日目に60℃程度に温度が上昇すれば初期発酵は成功で、引き続き堆積発酵させて、概ね2週間後に切り返し作業によって反転を行い、発酵床(種)の製造は完了します。
処理方法
- エゾシカ死骸を1頭のまま(腹部を開腹または穴を開ける。ただし、腹部に弾の貫通痕や傷がある場合は必要ない。)発酵床(種)に投入して、死骸を覆い静置します。
- 切り返し作業は、夏期の場合1週間後、冬期の場合1週間から10日後に1度行います。
- 表面に出た「骨」「ひづめ」「毛」「角」を取り除き、一般廃棄物として埋立または焼却処分します。
※すべての発酵処理物は、一般廃棄物として適正に処分し、堆肥としての利用は絶対に避けます。
要なスペースと発酵床(種)量
- D型ハウス1棟当たり最大約36頭/2週間
- 発酵床(種)量 60.75m3(4.5m×7.5m×1.8m)
- 牧草ロール 26~28個程度
お問い合わせ
枝幸町役場 町民課 環境生活係〒098-5892
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